クラシック音楽雑感

自分が聴いたCDやコンサートの感想をつづります

リスト 交響詩「前奏曲」 シノーポリ&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1996)

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リスト

交響詩第3番「前奏曲」S.97 [R414]

 

指揮 :ジュゼッペ・シノーポリ

管弦楽ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

 

録音:1996年9月、10月

レーベル:ドイツ・グラモフォン

 

リストは標題音楽の草分けとして、「交響詩」というジャンルを確立した人物です。交響詩とは文学的、絵画的な内容を標題に即して音楽で表現するというジャンル。

今回ご紹介する「前奏曲」は『私たちの人生は、死へのプレリュード(前奏曲)である』というフランスの詩人ラマルティーヌの詩からとったもの。

 

無の底から湧き上がってくるような弦楽器のモチーフがどんどん上昇して、木管楽器の澄んだ高い音色まで届いていきます。

シノーポリウィーンフィルの演奏は、音の始まりと終わり、そして楽器同士の音の受け渡しが滑らかで、全体として柔らかい響きがとても魅力的。

アクセント(強調して)の音符が続く場面でも、音を分離させたり叩きつけるような表現にせず、一度塗った絵具のさらに上から色を塗り重ねていくように一音ごとに厚みを増していき、音楽の迫力がより立体的に伝わってきます。

 

 

 

リスト:管弦楽作品集

リスト:管弦楽作品集

 

 

 

 

シューベルト 交響曲第5番 ワルター&コロンビア交響楽団(1960)

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シューベルト

交響曲第5番 変ロ長調 D485

 

指揮 :ブルーノ・ワルター

管弦楽:コロンビア交響楽団

 

録音:1960年 2月26日&29日・3月3日、American Legion Hall(カリフォルニア)

レーベル:SONY

 

シューベルト交響曲第5番は、彼の交響曲の中でもとりわけ穏やかで優しさにあふれた作品です。彼が敬愛したモーツァルト譲りの軽快さにあふれている一方で、同じく尊敬の対象であったベートーヴェンの作品に見られるある種の深刻さとは無縁であることが、この曲のキャラクターをいっそう際立たせていると思います。

 

第1楽章の導入は落ち着き目のAllegro。アレグロと言うと、「速く」というイメージを持ちがちですが、ここでは「陽気な」とか「リラックスした」といったような、心の高揚を感じます。

ワルターの演奏は、静と動、緩と急の対比が鮮やかです。

それがこの交響曲の持つ優美さと、その影にある寂しさの陰影に気付かせてくれます。第1楽章の展開部に見える揺らぎや、思いを巡らせながらゆっくりと自己の内面に沈降していく第2楽章、第3楽章はトリオの流線美、そして第4楽章ではあっけらかんと現れる軽快な3連符・・・

挙げていけばキリがありませんが、いわゆるピリオドアプローチなどの演奏スタイルなどではなかなか得られない味わいや愉しみが、この当時ならではの演奏には詰まっています。

 

 

シューベルト : 交響曲第5番&第8番「未完成」

シューベルト : 交響曲第5番&第8番「未完成」

 

 

メンデルスゾーン 交響曲第3番「スコットランド」 マズア&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(1972)

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メンデルスゾーン

交響曲第3番 イ短調 Op.56「スコットランド

 

指揮:クルト・マズア

管弦楽ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

 

録音:1972年 1月8日~9日

レーベル:DENON 

 

ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団は、メンデルスゾーンゆかりのオーケストラです。今回ご紹介する「スコットランド」は、メンデルスゾーン自身の指揮によってゲヴァントハウス管の演奏で初演されています。

 

スコットランド」というタイトルは、メンデルスゾーンスコットランド地方を旅した際に、エディンバラのホリールード宮殿で着想したメロディが使われていることからとられているものだそうです。

ホリールード宮殿はメアリ・ステュアートゆかりの城で、すぐ隣にはメアリが王位を継承した礼拝堂があります。メンデルスゾーンが目撃したのは、過去の栄華とは裏腹に、朽ちて果て、草や蔦の侵入を許している礼拝堂の姿でした。堂内にはやぶれた屋根から空の光が差し込んでいました。

 

第1楽章序奏の旋律が、まさに先に述べたそのメロディのことで、悲劇的な印象をうけるものなのですが、マズアはその感傷にはひたり過ぎない前向きなタクトで語りかけてきます。

第2楽章は快速ながら緻密なアンサンブルが小気味よいです。

第3楽章はヒーリングミュージックのCDにもよく収録される穏やかな音楽ですが、やはりそこに没頭はしません。そよ風や空に浮かぶ雲が、何にも妨げられず、すうっと流れていくような様です。

フィナーレでは一転して戦闘的な厳しい音楽となりますが、メリハリのあるアクセントがいっそうの躍動感を演出しています。しかし次第に勢いが衰え、クラリネットが物語る張り詰めた空気から一転して晴れやかなコーダへ。

 

全曲を通して、木管セクションが中心になって作り出す澄んだ響きがとても魅力的な演奏です。

 

 

 

チャイコフスキー 交響曲第5番 カラヤン&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1971)

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チャイコフスキー

交響曲第5番 ホ短調 Op.64

 

指揮 :ヘルベルト・フォン・カラヤン

管弦楽ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 

録音:1971年 9月16日~21日、イエス・キリスト教会(ベルリン)

レーベル:EMI

 

カラヤンチャイコフスキー交響曲の録音を数多く残していますが、その中でも第5番のそれは5種類にも上るとのことです。

今回ご紹介するのは3回目の録音にあたります。

 

この演奏の魅力は、滾る熱気と、それを歌い上げる巧みなアンサンブルにあると感じます。

チャイコフスキー自身の孤独を投影したかのような象徴的なクラリネット、要所でポルタメントを織り交ぜながら感傷を吐露する弦楽器、大迫力で圧倒するのは金管、そしてとどろくティンパニ… 

 

全曲を通して比較的ゆっくり目のテンポで音楽が進んでいきますが、決して弛緩することはなく、むしろ細部の表情の機微が直に伝わってきます。

 

 

チャイコフスキー:交響曲第5番

チャイコフスキー:交響曲第5番

 

はじめまして

はじめまして。musik_zakkanともうします。

このブログでは、大好きなクラシック音楽について、私が聴いたCDや、足を運んだコンサートの感想をつづります。

また私自身、アマチュアオーケストラの打楽器奏者でもあります。プレイヤーとしての体験や感動も、このブログに残していけたら。。。

 

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